ランプの魔人

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「どうかなさいましたか? 顔色が優れないようですが」 「い、いえ、大丈夫です」 「そうですか。では、もう少しだけお話お伺いしても?」  頷くしかない。拒否すれば怪しまれるだけだ。 「それじゃ三日前、 「い……家にいました」 「お一人で?」  魔人がいました、なんて言っても信じてはくれないだろう。ここは頷くしかない。  いや、しかし待てよ。あの事件の犯人は魔人なのだから、ここで彼の存在を隠すと犯人隠匿とかの罪に問われるんだろうか。ていうか、そもそも金が欲しいって願いが発端なんだから、共犯って事になるのか。どう転んでも犯罪者? 「どなたか、証明してくださる方いらっしゃいます?」 「い、いえ……一人だったので……」  上ずりそうになる声をどうにか押さえつける。
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