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落ち着け、現場にいたのは魔人一人だ。
あれ? 魔人って一人って数えて良いのかな?
いや、そんな事はどうだって良い。
そう、証拠だ。証拠がない。現場に行ってないんだから、痕跡だってあるはずがない。
大丈夫だ。
だが、その思惑が浅はかであったことを、すぐに思い知らされた。
「それではちょっとご説明頂きたい事があるんです」
「せ……説明?」
「襲われた方が一度持ち去られたっていう財布。それのほとんど全てにあなたの指紋がべたべたとついていたんですよ。こりゃ一体どういうことです?」
「そっ……それは……」
「まあ、この続きは署のほうでお伺いしましょうか……」
刑事に対して返す言葉が見つからかった。
やっぱり、始めたばかりのランプの魔人に願い事なんてするんじゃなかった。
帰ってこない魔人を恨みつつ、刑事に促されるまま部屋を出た。
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