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わたしはカバンの中に手をつっこんで、夢のある希望を描いてみる。けれども残念なことに、そのときカバンの中には夢などまったく入っていなかったんだ。
おりたたみ傘、持ってくるの忘れちゃったな。どうしよう。
雨足は刻一刻とその激しさを増し、それにつれてわたしの心の中も荒れ模様になっていく。
もういいや。別に学校に行かなくったってさ。わたしのいないことに気づくひとなんていないでしょ。クラスメイトも先生も、いつもまるで、わたしなんかいないようにふるまっちゃってさ。
わたしは、駅のホームにつっ立って、しばらく横なぐりの雨におぼれるがままになっていた。
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