お化け屋敷、はじめました

　初日が終わった。お化け屋敷に入ったのは遊園地に来た人の二人に一人というところだろうか。まあ母数も多くないので大した人数でもない。
　明日以降はどうなるだろうかと考えているとオーナーが慌てた様子で事務所に入ってきた。手には来場者アンケートがある。
「好評だよ、お化け屋敷！」
　その言葉に僕は驚くしかできない。オーナーはアンケートを見せてくる。確かに、お化け屋敷のことがかかれている。『何かをつぶやきながら背を向けてしゃがみ込んでる人が急にこっちをにらんでくるのが意味わからなくて怖かった』内容をまとめるとこんな感じのことが書いてある。それ以外はつまらなかったとまで書いてるものもあった。確かに、つまらないのはわかる。けれどそもそもそんな役を作った覚えはない。
　ちょうど帰るところだったスタッフにそれを見せて聞くと確かにいたという。
「あの人なんか気合の入り方すごかったですよね～、持ち場につくのもすっごい早かったですし、なんか研究してるのかまだ残ってましたし」
　スタッフも知っているのなら手とか急に出して脅かす役の誰かが勝手にそういう役を作ってやっていたのかもしれない。報告もないのはどうかと思うがその人のおかげで好評なのも確かだ。とりあえず話してみようと思ってその人がいるところを聞いてそこに向かった。