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「誰と、会わせたの?」
そう聞くと、目の前の後藤さんが“はあ?”って顔をした。それから
「どこまで知ってんの? 小篠さんは知ってたから……えっと」
「元カノってことだけ」
「それは、何で知ってんの? 小篠さんから聞いた? それとも安藤さん本人?」
「本人……とは? この前少し耳に挟んだだけで」
後藤さんがはぁっとため息を吐いた。
「少し耳に挟んだ程度の情報で、あまりとやかく言うのはどうかな。俺も人のことだし、プライベートなことだから詳しく言えなくて説明不足だったのは申し訳なかったけど」
本人が、安藤さんということは……堀越さんは後藤さんではなく……安藤さんの元カノって……こと!?
「ええ、後藤さんの元カノじゃないの!?」
思わず立ち上がった私を見上げた後藤さんの目がおもいっきり見開かれた。
「……違う。いや、ちょっとどうしてそうなるんだよ。ほんと、耳に挟んだだけだな。……ああ、そういうことか。繋がった」
勘違いだったってこと?じゃあ安藤さんと堀越さんを引き合わせたくて、それは……
「余計なお世話してただけ……?」
「いや、まあ、そうだけど。余計な心配かけたってことか」
いつの間にか、目の前には、後藤さんのにこにこと優しい顔があった。
「いや、違う! そ、それだけじゃなくて」
伸ばされた手を避けるように一歩後ろに下がった。
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