第22話

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──数ヶ月後 2つの報告を受けることになった。 1つは香田さんから 「無事に結婚出来ることになりました」 拍手が起こる中、香田さんが恥ずかしそうに笑った。 「人生でこんなに頑張ったの初めてです」 「……お前なあ、職場で言うなよ」 安藤さんがそう言って 「や、もちろん、仕事は! 仕事を除いてってことで」 「はは、いや、おめでとう。仕事はねえ、頑張って貰わないとね、一人……抜けるから」 そこで皆の視線が一点に集まった。事前に聞いていたので、みんなわかっていることだった。 「あー、えっとー、まだもうちょっとこっちにいますけど、皆さんお世話になりました。札幌支店に着いたら、美味しいものでも送ります」 そう言ったのは、安藤さんだ。小篠さんがとっても寂しそうだ。 「ちゃんと引き継ぎして下さいね」 「はい」 部署には新卒が数人入ってくるが、安藤さんの穴埋めはしばらくベテランたちに任されそうだ。 安藤さんは自ら異動願いを出して、時期を見て受理された。堀越さんの小樽への転勤で遠距離になるからと別れたが、よりが戻ったらしい。 堀越さんを追いかけて行くことを決めたって。私は意外だと思ったけれど、後藤さんは安藤さんらしいなあって笑った。 ── 去り際、 「何も貫かなきゃならないわけじゃないしね、、独身主義。俺も片瀬さんも。ね? これからどうするかは、相手次第。後藤と仲良くね」 と、耳打ちされた。カフェで話したセリフ……。それに、それに……気付いてたの!?
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