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エピローグ
……私は、私らしく生きていく。
誰に言われようと、私は私らしく生きていく。そのためには、誰かに束縛される結婚とは、真逆なところで生きていきたい。
結婚したい人はして、したくない人はしなければいい。それでいいでしょ?
そう思っていた。
だけど、自分の大切な人が“結婚したい”と私との未来を思ってくれたらどうだろう。
私らしくいられないのなら、二人でいる必要はないでしょう?
どんな私も私らしいと思ってくれるなら?
一人で生きていく。その自分だけのマンションを買うためのスキルアップ目的で転職した先で、後藤さんと出逢った。もし、一人で生きていくって決めてなければ転職しなかったかもしれないのだから、不思議なものだ。
「結婚しても別れる時は、別れるんだから」
と、彼は言う。
自分でもどうしていいかわからない感情と理想の葛藤を見抜き、まずは二人暮らしが出来るかどうか試してみようと、彼は言ったのだ。私の城をしっかり押さえて。
「そろそろ諦めたらどう? ここは譲ってよ、俺に」
これからの未来のカタチを彼は望む。
「一人で生きていくって決めてたの」
「もういいよ。全部俺のせい。それでよくない? ぶれたんじゃない。変わったわけでもない。こういう選択肢もあったってこと」
結局言いくるめられる。最初から、ずっと彼の手のひらの上。全部計算されてたんじゃないかと疑ってる。
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