ある、冬の昼下がり【コミカライズ原作】

プロローグ

例えばものすごく寒い日。窓は凍てついて、空にはいつ雪が降ってもおかしくない分厚い雲。

暖かい部屋の中からそんな外を見ながら、大きなマグにたっぷりのロイヤルミルクティーを注ぐ。そこに蜂蜜すこし、シナモン一振り。
流しっぱなしの好きな映画は好きなシーンを気ままにリピートする。眠くなったら眠ったっていい。

……幸せなため息を吐く。なんて贅沢なんだろう。私の一番好きな過ごし方。
誰にも邪魔されずにずっとそうしていたい。私は自分の為に働く。こんな生活をずっと続けていられるように働くのだ。自分のために使うお金さえあればそれでいい。

結婚なんてするつもりはない。私の望む幸せがそんなところにあるわけがない。

……私は、私らしく生きていく。
ずっと、そう思ってきた。