忘れられないひと

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忘れられないひと

忘れられない患者さんがいる。 とても、印象の深い患者さんがいる。 その方は享年35歳 でも、彼女の看護にあたったのは、彼女が32歳だった。 癌だ。私が担当した時には、全身に転移していたんだ。とても、穏やかな患者さんだった。 彼女には夫が、いた。毎日毎日、毎朝、毎晩、お見舞いにくる。普通なら面会制限があるが、このご夫婦に関しては、理事長承認の元。全員一致の了解だった。 二人部屋だった。 隣には、80歳になる婦人でおしゃべりだけど明るい方。 ある日たまたま聞いてしまった。 婦人「貴女、まだ、若いのよ!こんな所早く出て子供産まないと!負けないで!」 患:「そうですね。頑張ります」 私は、分かっていた。彼女は、とても、優しい。 彼女は、とても耐えている。きっと、今までも耐えてきたのだろう。 彼女は、癌だ。余命が付いている。一生懸命生きている。凄く儚くても今を信じて生きているんだ。 余りにも、切なくて、聞かなきゃ良かったんだ。 ああ。部屋の前を歩いてしまった。私のバカ。 聞かなければ良かった。 思わずトイレにいき、泣いた。 病気は、治れば、笑いばなしにはある意味なるだろう。だって、未来が見えるから。 でも、どうしても、先が分かる事に対して生き抜けよ!?は、中々、、、、。 この、本は、大好きだをイメージした。 だから、ふざけないで、書けたらいいなと、思った。 生きるとは、健康だとツイツイふざけて身体にムチ打つ生き方をしがちだ。 生き方をどうするか?は、健康だから考えられる特権かもしれない。 終わり
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