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2章第3話~父と魔物退治に出よう!~
『1ワー=1時間
1センメラー=1cm』
「お気をつけてくださいませ。」
「ああ。」
「はい。」
母が俺と父を見送る。俺が9歳になる頃には父に連れられて魔物退治に出ることも増えた。
この世界には魔族と呼ばれる基本的には我々人間と敵対する種族が居た。そしてその魔族が使役する知性が低い種族を魔物と呼んだ。
もちろん9つの俺に強い魔物を倒させようというわけではなく、比較的力の弱い魔物の討伐に出ている。
俺に父、更に家中の騎士を5人ほど従え、不測の事態が起ころうとも逃げおおせる程度には備えをしている。
「父上!兄上!」
「お父様、お兄様。」
母に見送られたその後、2歳下の弟のノースデンと3歳下の妹のマリーは庭にまで出てきて俺たちの見送りに来た。
ノースデンは身長が115センメラーほどで父譲りの短めの金髪が逆立つような髪型、目は母譲りの灰色の目で母に似た優しい顔立ちをした少年だ。
マリーは背中にかかるほどにまで真っ直ぐ伸ばした茶髪は母譲り。目は父譲りの碧眼。顔立ちは母の面影を感じさせるかわいらしい少女だ。
「ノースデン、マリー。見送りに来てくれたか。」
父は子煩悩な人で、特に娘のマリーを溺愛している。父はマリーを抱き上げて、「えらいぞ~。」とニコニコしている。俺とノースデンは顔を見合わせて「また始まったね。」と苦笑いだった。
「父上、そろそろ。」
「ああ、そうだったな。では母を頼んだぞノースデン。」
「はい!」
父は俺の問いかけに応え、留守番のノースデンに母を頼むと言い頭を撫でる。父に撫でられ任されたのがうれしかったようで、素直に大きな声で返事をする。
満足そうな顔を見せた父は俺と供を伴い、リーフの森と呼ばれている森に進路を進めた。
俺と父は馬車に乗り、供の騎士たちはその周りを囲み護衛として進む。リーフの森は俺の家から3ワーほどかかる。
俺の家は小高い丘に建てられており、その丘を下り、リール・ア・リーフの街並みを通り抜ける。この街は王都ほどではないものの大きな街だ。
この街の建物は基本的に白い色を基調とした綺麗な街並みとなっている。今となっては慣れたが、初めてこの街を見た時は、日本とは全く違う街並みに感動を覚えたものだった。
街を抜けると平原に出る。アスファルト舗装などはもちろんなく、街のように石畳もないが、土がむき出しになっている部分がならされて、しっかりと道になっている。
こんな風景も日本で東亜として生きていた頃はゲームでくらいしか見たことなかった。
平原を2ワーほど進めばやっとリーフの森が見えてくる。ここまでは魔物の姿も無く順調な進路だった。
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