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次は戦略・戦術の勉強だがさっきの稽古で汗だくになってしまっているため、服を着替える事にした。
できれば風呂にも入りたいところなのだが、他国は知らないがこの国に置いて個人で風呂を持っている家など王族か大貴族くらいしかなく、風呂に入るには街に行かねばならなかった。
しかし慣れとは恐ろしいもので最近はあまり気にならなくなっていた。
「ファンデン様、お召し物です。」
「おお、ありがとう。」
使用人の女性の1人、メイが替わりの服を持ってきてくれた。メイは平民の出で俺が生まれた頃12歳でロートリース家に出仕した少女だ。
俺が生まれた頃から知っており一応1番歳が近いということでよく俺の世話をしてくれている。
「どうされましたか?」
「いや、着替えるから。」
「あっ失礼いたしました。」
別に裸を見られても気にはならないが、さすがに自分の着替えている姿を見られるのは、まるで人の前でストリップか何かをしているようで恥ずかしい。
何度かメイにも言っているのだが、たまに呆けたように突っ立っている事がある。
心優しく一生懸命な娘なので嫌いではないのだが、その辺りはどうにかしてほしい。
「う~ん……。」
「な、なに?」
「ぴったりですね。」
俺が着替え終わった後、メイは何か考えるようにしながら俺の事を見る。
何がしたいのか分からない俺は何だと尋ねてみると、手を合わせながら笑顔で服がピッタリだと言う。
たしかに初めて着る服だが俺の身体を採寸した上で作っている服なのだからそりゃあそうだろうと思うのだが、それよりも彼女が身を屈ませた方が気になった。
父の趣味なのかこの世界では当たり前なのかは分からないが、使用人の女性は胸元がかなり開いた服を着ている。それ故前かがみになると彼女らの服の中が見えそうになる。
メイはまだそういった意識が無いのか特にこの体勢になることが多い。
まあそれをついつい見てしまう俺も俺な気もするが、4歳の子供にしか見えない俺がそんなことを考えているとは彼女らも思ってもいないだろうが。
「とりあえず行くから。」
「はい。行ってらっしゃいませ。」
俺は話を切り上げて、俺専用の勉強部屋に向かう。
もう既に戦略・戦術の先生が待っていると思うので、少し早歩きで行った。俺はこんな生活を6歳の年、【リール・ア・リーフ初等学校】に入学するまで続けていた。
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