心は謎めいて?

5/6
前へ
/55ページ
次へ
ついつい目線を反らしてしまう私。 何でだろう?心の奥がズキンと痛む。 「気になる?」 「別に気にならないよ」 「キスしてくれたら教えてあげるっ」 この期に及んで何を言うかと思ったら馬鹿な事を……! 「気にならないてばっ!」 「そう…だったら…」 近寄って来たと思ったら、冷たくなった手の平を私の頬に宛てて、おでこにチュッてしてきた。 「な、何するのよっ」 「隙がある百合子が悪いんだよっ。あ、口が良かった?」 突然の事に戸惑い、おでこに手を宛てて固まり気味な私。 目の前でケラケラと笑っているエロガキ。 完っ全にペースに巻き込まれてるわ。 「このっ、エロガキ!」 「エロガキ?…いーけど、別に。百合子って意外に純粋だねっ」 「意外には余計だっ!!」 純粋ではないと思うけど、……だって下心があったから部屋に入れた訳だし。 年下だからって油断していた私。 さすがにこうも不意打ちばっかりだとビックリもするって……。 「さっきのメモは、妹だよ。里沙(りさ)って言うんだ。今日は下から二番目の妹の誕生日だったから、買い出しに付き合っただけ」 「買い出し?」 「うん…詳しい事は聞かないで。聞いたら…」 「聞いたら?」 「今度は口にするからね」
/55ページ

最初のコメントを投稿しよう!

40人が本棚に入れています
本棚に追加