女心は複雑です。

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女心は複雑です。

クリスマスイブ当日。 私は周りの反感を買いつつ、夕方からのカフェのバイトは休みを貰って、今はアパートの自分の部屋に居る。 その代わり、明日はコンビニのバイトを休んで、一日中、カフェのバイトなんだけれども……。 クリスマスはカップルで賑わうがイブに休むから、それなりの交換条件も仕方ない。 彼が夜7時に迎えに来ると言うので、ソワソワしながら時計とにらめっこ。 あと10分位かな? どんな家族なんだろう? もう一人の妹ちゃんも彼に似てるのかな? 御両親も可愛らしい方だったりして? 妄想が膨らみ、一人で笑ってしまった。 ”ピンポーン!” あ、お迎えが来たかも! 「はぁい、今出るね」 ”ピンポン、ピンポン、ピンポン!!” 大きな声で返事をしたのに鳴り止まない呼び鈴の嵐。 うるさいってば! 「ちょっと、諒、うるさ…」 ガチャリと勢いよく開けたら、そこには知らないおじさんと可愛い、3歳位の女の子。 私は唖然として目が丸くなった。 「あのぉ…誰…ですか?」 恐る恐る尋ねた。 「あっ…はじめまして。こっちが麻里亜(まりあ)で、私は隆(たかし)です」 「…いや…だから」 名前を紹介されても分からないのですが……? 人違いなんじゃない?
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