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「分かったよ、言うよ。はぁっ…恥ずかしいけど、俺、キスするの初めてだし、その先もなかったり、して…。
あぁっ、嫌だよね。今日で帰ろうかな、家に…」
洗い物をする手を止めて、彼に近付く。
「嫌、じゃないけど…。諒は女の子慣れしてそうだったし…そっちの方が嫌だったよ?」
「だって、高校生だからって、ガキに見られたくなかったし、余裕あった方がいいかなって思って。内心、ドキドキだったんだから…。
まぁ、百合子に触れたかったのも事実なんだけど、ね?」
目を合わさずに下を向いて言う彼が、可愛くて愛おしい。
コッチが何かしたくなっちゃうんですけど…、胸がキュンキュンするって、こんな感じなんだね?
「諒っ、可愛いっ」
思わず抱きしめてしまった。
「しよっか?」
「えっ!?」
「してもいいよ」
ベッドまで、諒の手を引こうとしたら『嫌っ』って断られた。
「今日は嫌。自分からじゃないと嫌っ!」
「あっ、そう。じゃあ二度とチャンスはないかもね」
「それは駄目っ」
今まで散々、不意打ちに合ったから、今日は私が合わせてあげる。
素性を知ったからこそ、もう怖いモノ無しだし、私が男の子で、諒が女の子だったら、食べちゃいたい気持ち分かるし。
だって、こんなにこんなに、可愛いだもんっ!
「あっ…百合子…嫌っ」
彼の首筋にチュッと触れるだけのキスを落とすと、顔を真っ赤にして抵抗して可愛すぎる反応をされる。
りっちゃんが大好きな、ボーイズラブの漫画の男の子みたいに可愛い彼。
もっと虐めたくなるこの感情は何だろうね?
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