誰にも教えてアゲナイ!

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「それからぁ、百合子さんは、お兄のどこが好きなの?学校では女の子といちゃついてるし、タラシですよ、あんなの。 早いとこ、追い出した方がいいですよっ!」 いちゃつき…タラシ…あんなに純情なのになぁ。 学校では無理してるのか…まぁ、腹が立たないと言えば嘘だけど、ここは大人の余裕で許してあげる。 「樹里っ!」 何時になく怒り顔の彼がいつの間にか、お父さんと共に部屋に上がっていた。 「お前、また当番サボってるんだって!? マリアが俺を諦めていたのに、お前が思い出させて泣かせたんだって? 当番が増えるのが嫌で、マリアをダシに使って泣かせて、俺を連れ戻そうとしただろっ!」 ゴチンッという鈍い音が頭に響いた樹里ちゃん。 涙目で… 「パパァーッ!!お兄が殴ったぁっ」 お父さんにしがみついた。 「こらっ、諒!妹を泣かせるとは何だっ?」 お父さん…怒っております。 その後ろでは彼に向かって、アッカンベーをしている樹里ちゃん。 「親父、樹里を怒りに来たんじゃないのかよっ?」 「あっ、あぁ、そうだったな…樹里、当番はサボっちゃ駄目だぞ。な?」 「ぐすっ…はぁい…」 嘘の泣きべそ樹里ちゃんの勝利みたいで、お父さん…女の子には弱いのね。 たいして怒ってないじゃんっ! 「百合子さん、いつも諒がお世話になって申し訳ない…。学校では、タラシの諒ですが、本当は純情な奴ですから、これからもどうぞ叱咤激励して下さいね」 叱咤激励はいいとして…タラシ…純情…お父さん、何をどこまで知ってるんでしょうか? 謎です。 「つーか、お前らっ、帰れっ!」 お父さんと話す間もなく、彼は二人を追い出した。
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