返品可能ですか?

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「百合子、ごちそうさまでした。そろそろ帰らなきゃ……、それとも泊めてくれる?」 抜け駆けされて、多分、今、……私は顔が真っ赤だと思う。腰が抜けたみたいに呆然としてしまった。 呆然としている私の前で、またもやヌケヌケと図々しい事を言った。 「泊めるわけないでしょっ!馬鹿っ!」 「ざーんねん。じゃあ、またね。明日も来るね」 「……うん」 図々しくて、エロガキなのに…可愛いからか、つい『うん』なんて頷いてしまった。 私、しばらく彼氏も居なかったし、一人で寂しかったのかも。 バイバイッて手を振って帰る彼に、引き止めたい感情を抱いていた。 一人になった部屋は静かで、テレビの音がわびしく響いていた。 林檎を食べたお皿を片付けしていると、台所に残された林檎の皮が目に入った。 ヘビ……か。 林檎の皮を指でつまんで、持ち上げて見た。 あはは、抜け殻みたい。 彼が帰った後の私は憂鬱で、抜け殻みたい。 ついさっき会ったばかりなのに、ずっと一緒に居たような感じがした。 ……明日、何時に来るのかな? 結局、名前以外は、はぐらかされて聞けなかったから明日は聞かなくちゃ。 さて、遅くなっちゃったけど、シャワーを浴びて寝なくちゃ。 明日もバイトだもんね。 ……アドレスか番号聞いて置けば良かった。 だって、明日も帰りが遅いもん。 それでも、待ってるのかな?
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