第四話 冥界の風景

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第四話 冥界の風景

 支流を下り始めてから数日ほどで、小船は終着点の湖へとたどり着いていた。  思っていたよりも大きな湖で、湖水は川の流れ混む辺りは真水だが、海に近い側は塩水になっている。河の草が生えているのは南側の、真水の辺りだけだ。  頭上を海鳥が過ぎ去っていく。  水辺には小さな漁村があるだけで、他には何もない。まるで、未開の地に来てしまったかのような気分になる。  「とりあえず…あそこに、あの丘の上に見えてる村に行ってみよう」 小船を岸に着け、プタハシュペルは萎えそうになる気力を振り絞るようにしてそう言うと、少し盛り上がった小高い場所に固まって立っている家のほうに向かって歩き出した。ここから先、西のほうにはもう、村さえあるかどうかわからない。海沿いとはいえ砂地ばかりの通く土地は、無人の沙漠にも等しい。誰か、星の流れるのを見た人がいればいいのだが。  丘のふもとでは、湖で漁をして来たらしい漁師たちが、魚を開いて干していた。白い、見慣れない服を着た若い男が近づいてくるのに気が付いて、少し警戒したように身構える。  「あのう、怪しい者ではなくて…上流の、メンネルフェルの大神殿から来た者なんですが…」  「メンルフェル? 神殿? あんた、神官さんかい」  「ええ、まあ。そんなところです」 本当はまだ見習いなのだが、と、心の中で付け加える。  「十日と少し前くらい、明け方に、空を燃える星が横ぎるところを見ませんでしたか」  「ああ、見たよ。見たというか、聞いたんだけどね」 すぐさま、漁師の一人が答える。  「そうそう。すごい明るさで、西の方に流れていったなあ。ばーんって大きな音がしてたよね。」  「音は聞こえなかったと思うけど…。でも、西の方なのは間違いない。なんだい、あんた、そんなことを調べに来たのかい」  「まあ、そうです。神託みたいなもので…」  「そいつは、大変だなぁ」 随分のんびりとした感想だ。  「西の方には、村とか、何かありますか」  「海沿いにいくつか、小さいのはな。ほとんど人は住んどらんよ。この辺は畑もほとんど作れんし、お役人さえめったに来ない…」 と、一人が、潮風にさらされた、赤茶けた色のざんばら髪をなびかせながら呟いた。「何もない。赤い土地(さばく)とおんなじさ」  プタハシュペルが目に見えてがっかりするのを見て、別の一人が言う。  「そう遠くじゃあないよ。ここからでも、落ちていくのが見えたんだから。」  「そうだと…いいんですが…。」 川を延々と下って来たこの旅が、そろそろ終わりに近づいていることを信じたい。  重たい足を引きずって戻って来たプタハシュペルを、ヘカネケトは黙って待っていた。彼の視線は、青い、大きな湖のほうにある。  「変わった色です」 と、彼は、ぽつりと言った。  「川の青と違って、ここの色は、…もっと明るい感じがする」  「そうだね。なんだか宝石みたいにきらきらしてる。きっとこれが海の色なんだ。海なんて、初めて見たよ」 何とも言えない香りのする風が、北の方から吹き寄せてくる。  しばしの間、黙って風景を眺めていたあと、二人は、どちらからともなく歩き出した。ここから先はもう、船では行けない。海には波があり、川を行くための小さな木造船では、すぐにひっくり返ってしまうだろう。それに、天から落ちた石を探すには、海沿いを徒歩で探してゆくしかないのだ。  「石が落ちた場所があるなら、そこはきっと、地面がへこんでいるはずだよ。音がしたって言っていたし、きっと大きな穴になってる。二人で探せばきっと見つけられる」 半ば自分に言い聞かせるように声に出して、プタハシュペルは西へ、湖の縁を周るようにして海沿いの道なき道を歩きだした。何もない、平坦な土地が目の前に広がっている。石を探すのにはもってこいの眺めの良さだが、あまりにも広大で、これでは、探しつくすのに何日もかかるかもしれない。  「…食料って、あと、どのくらいあるのかな」 彼は少し不安になりながら、ちらとヘカネケトの背負っている荷物のほうに視線をやった。  「切り詰めれば、一週間分くらいはあります。足りなくなったら、さっきの村に戻るしかないです。水も」  「ああ、そうか…。海の水は飲めないんだったな…。」 旅をする時は川に沿って移動するのが普通だから、水が足りなくなることなど普段は気にもしないのに。すぐ右手で、緑に渦巻く海の塩辛さがうらめしい。うららかな早春の陽射しの暖かさも、今は、真夏で無くてよかったというほどの気持ちでしかない。  丸一日、足がくたくたになるほど歩いて、ようやく行く手に小さな、数件の家が集まっているだけの漁村が見えてきた。  けれどそこでも、答えは「もっと西の方に落ちていった」だった。  「大きな音がしてたよ。真昼になったかと思うくらい輝いてね。そりゃあもう、びっくりした」 海でとれたという、変った魚を出してくれながら、海で日に焼けた漁師のおかみさんは、身振り手振りを交えて大げさにそう語ってくれた。  「まるで太陽神さまが落ちたきたみたいだって。この世の終わりかってうちのお父ちゃん騒いでたんだよ、アハハ。なんだい、あれは吉兆なのかい。神様の贈り物ね。それなら結構。え? 何、王様が変わったこと? 知らないねえ。最後に大きな街に出たのは二十年も前のことだしさ、ここにはお役人もろくに来やしないよ。何でここに住んでるのかって? 税金を滅多に払わなくていいからさ。」 外からのお客は数えるほどしか来たことがないという話で、おかみさんは、いつまでもしゃべり続け、なかなか放してくれなかった。  けれど陽が落ちれば、あとはもう寝るしかない。  その日は漁師の家の端に宿を借り、夕飯には、肢のたくさんある奇妙な動物の炙ったものをおっかなびっくりご馳走になった。  夜、皆が寝静まると、枕元には打ち寄せる波の音が響いてくる。故郷の村では、夜に聞こえてくるものといえば、隣の家のいびきや牛や羊の声、蛙の大合唱などだった。逆にそれらは、ここでは全く気配もない。  大神殿で暮らしていれば体験することもない、奇妙でどこか胸の躍るような体験。目指す石を見つけてメンネフェルに戻ることが出来れば、いつかはこの体験も、誰かに語れる自慢話になるのだろうか。  どこかから、微かに地鳴りのような音が響いてくる。  眠っているのか、目覚めているのかも分からない。目の間にあるのは人の歩いた跡さえ無い、荒涼とした大地だった。そして視線を転じれば、恐ろしい勢いで渦巻く海の水が、遥か彼方まで広がっている。  世界の果てまで来たような気分だった。  海辺をさ迷い始めて、もう何日が経っただろう。夜明けの星さえも見えず、明け始めているはずの東の空は低くたれこめた薄い雲に覆われて、世界の全てが灰色だ。色のない世界。生き物の動く気配さえ無い。  (冥界の入り口には灰色の沙漠がある、という話だった。それは、こんな感じなのかもしれないな…) 以前はあれほど星を見あげるのが疎ましかったのに、今は、夜明けの星空が恋しい。見慣れた星たちが、毎夜一定の速度で動き続ける勤勉なる天の女神の子らが側にしてくれないことが、これほど心細いものだったとは。  滅多に雨の降らないこの国で、夜空に守護の星が見えないことなど、あまりあるものでは無かった。当たり前に見えていたものが見えなくなった時、人は、ようやく普段の暮らしがどれほど「安定」して守られたものだったかに気づくのだ。  擦り切れた履物を引きずって、プタハシュペルは歩き出した。朝餉を作る燃料となる、風に吹き寄せられた小枝や枯れ草を集めるためだ。持って来た食料の残りも、あとわずか。それが尽きれば、最後に立ち寄った海辺の小さな漁村まで戻るしかない。もう何日も、壁や屋根のあるところでは眠っていなかった。海の音の聞こえる窪地、枯れた木の根本、不毛の沙漠が彼ら二人の仮宿だった。  かき集めた乾いた草と枝を手に戻ってみると、ヘカネケトは、片手で器用に何かを料理していた。  「海辺で貝を拾いました。味は、分かりませんが」  「助かるよ。火を通せば、食べられなくもないだろう」 二人は言葉少なく、ほんの僅かな食料を分け合って胃袋を温めた。  正直に言えば、もう、「天の石」は見つからないのではないかとさえ思い始めていた。  この辺りには、人が住んでいない。石がどの辺りに落ちたのかを聞いて確かめることも出来ない。  見落とさぬよう、少しずつ西へ進んで来たつもりだったけれど、もしかしたらもう、その場所は通り過ぎてしまったかもしれない。それとも、もっと南の、海からは遠い辺りだったのか。気が滅入るのは、目的地が分からない不安にも増して、もう何日も太陽の光を見ていないことだった。春の嵐の時期が近付いているのだ。空は曇天のまま、陽の光は時折かすかに届くだけ。もうじきすれば、雨が降るか、沙漠の方から砂嵐が押し寄せてくるに違いない。そうなる前に、お役目を果たせる気がしなかった。  「もしも今日、見つからなかったら、神官さまだけでも戻って下さい」 ぽつりと、ヘカネケトが言った。  「湖のほとりの村…あそこまで戻れば、ちゃんとした食料も手に入ると思います。ぼくは、この先を探していますから」  「な、…それは駄目だよ。こんなところではぐれたら、もう二度と会えなくなってしまう」 こんな、冥界のような世界にヘカネケトを一人で置いていくなんて。  「でも二人で戻っては、またここまで戻って来る時間が無駄になります。」  「戻る途中だって石は探せるよ。見落としがないか確かめるのに、二人いたほうがいいじゃないか」  「役立たず、とは、言われたくないのです…せめて、このお役目だけでも、果たさなければ」  「俺だって、それは同じだ。」身を乗り出しながら、プタハシュペルは語気を強めた。「二人で見つけて、一緒に帰るんだよ。そうじゃないと意味がない」  「……。」 腕を吊ったままの青年は、悲しげな顔をして口を閉ざした。  額の傷はもう、ずいぶん塞がって、包帯はとっくに外してしまったが、腕の方は、いっこうに良くならない。骨を痛めてしまったのかもしれなかった。最初は白かった包帯も、旅の間に土ぼこりで黒ずんで、今はもう、灰色になっている。  灰色、灰色、灰色。  全てが色を失っていく。ここでは、ときおり雲の間に見える空の青だけが、唯一の色だ。  「――草の緑も、花の色も、もうずいぶんと見ていない。沙漠の赤も、夕焼けも。海も…今は灰色だね」  「……。」 波が岸辺の岩に打ち寄せる、低い音が響いてくる。  「ヘカネケト、あんたの見ている世界はきっとこんな風なんだな。俺は今、あんたと同じものを見ているんだと思う。ここはまるで冥界みたいだよ。もしかしたら、冥界神様の見ている世界も…。」  「……。」 ヘカネケトは、火をかき回していた手を止めた。  「冥界にも…こんな風に海はあるでしょうか」  「世界は渦まく混沌の泥から生まれたんだ。原初の水だよ。今の海はそっくりじゃないか」  「ああ…」 彼は、納得したような顔になった。それから、火を消して立ち上がる。  「そろそろ、行きましょう。きっともう、陽は昇っている頃だから」 頷いて、プタハシュペルも続いた。  中身が減って軽くなった荷物を担いで、二つの人影が、とぼとぼと海岸線を行く。  砂地には目立つような窪みはなく、辺りを見回しても、石が落ちてきたような跡は見当たらない。高台のようになった場所を見つけては登って辺りを見回したり、海辺のほうに行ったり陸地のほうに戻ってみたり。神の思し召しであるならばと、祈りを捧げながら小石を投げて次に向かう方向を決めたり。  時間は過ぎてゆくばかりだ。  きっと今日も、石は見つからない。進むごとに、辺りはどんどん暗さを増し、雲は厚みを増していく。  ふいに、ヘカネケトが足をとめた。  「ここから先は…やはり、ぼくひとりで行きます…。」 驚いて、思わずプタハシュペルは足をとめた。  「どうしたんだよ、急に」  「このまま西へ歩いて行けば、きっと、冥界(ドゥアト)に着いてしまう…。」 冥界、それは、冥界神の住まう死後の世界のことだ。  その場所がどこにあるかについては、プタハシュペルも知っている。太陽の沈む方角、西の彼方の地の下だ。冥界の神プタハはそこに館を構え、地の底にあるすべての資源を支配する、と言われている。  「もしかしたら…冥界まで受け取りに来いという…それなら…それなら、役立たずのぼくが行けばいい…」  口を開きかけた時、ぽつり、と雨粒の最初の一滴がプタハシュペルの額に落ちた。  まずい、と思う暇もなく、霧のような雨が辺りを包み込み、視界はあっという間に真っ白になる。  「雨宿り出来るところ探さないと。急いで!」 プタハシュペルはヘカネケトの腕をつかみ、有無を言わさず引っ張った。  「! 何かある」 行く手に人工的な、影のように見える四角い塊の連なりが見えて来た。村の跡だ。建物のほとんどは崩れかかっているが、辛うじて、屋根の残骸がひっかかっているところがある。  大急ぎでその下に体を滑り込ませるのと、ほぼ同時に天が割れた。  稲光とともに、唸るような轟音が頭上から鳴り響き、湿った風が押し寄せてくる。息を弾ませながら、二人は小さな屋根の下に身を寄せ合った。雨水は瞬くまに水たまりを作り、朽ちて土に帰ろうとしている村の建物の軒先へ、小さな滝のように水を滴らせる。  本格的な春の始まりを告げる、にわか雨。  川辺から遠く離れたこの土地では、きっと恵みの雨になるのだろう。  「ねえ、ヘカネケト。今、雨に濡れていないよね」 頭上を過ぎ去ってゆく灰色の雲を見あげながら、プタハシュペルはふと、口を開いた。  「これは神様の思し召しとか恵みだと思う? それとも、俺たちが一生懸命、走ったせいだと思う?」 眼をしばたかせ、隣の若者はゆっくりと、彼のほうを見やった。  「俺はさ、…あんまり神様を信じてないってよく怒られるんだよ。でもさ、何でもかんでも神様のせいにするのが、何ていうか面倒でさ。もしかしたら…本当は、ぜんぶ”思し召し”ってやつなのかもしれないけど、それだったら、生きている意味がない気がするんだよ」  「生きている、意味、…ですか」  「うん。だってさ、この旅だって、『神様の贈り物』なんだったら、なんとなく歩いてたってたどり着けるはずじゃないか。『贈り物』なんだから、受け取れないはずがない。だけど、実際は、俺たちこんなに苦労して、もし失敗したらどうしようって、びくびくしてる。生きてる俺たちが頑張るから、結果がついてくるんだよ。神様っていうのは、ただの切っ掛けなんだと思う。上手く言えないけど、神様が何かしてくれるからじゃなくて…自分が何かするから…物事は上手くいくんだと思う…」 雨の音が流れてゆく。天は水を吐き出して、少しずつ、少しずつ雲が薄れてゆく。  ヘカネケトは、足元に視線を落としていた。  「――ぼくはずっと、この眼のことは、神様の思し召しだと思って来ました。でもどうして、こんな風に色の無い世界を与えられたのかが分からなかった。生きたまま冥界の風景を見続けるなんて…どうして、こんなひどい罰を与えたんだろうって、思っていたんです…。でも、本当は意味なんて無いのかもしれないんですね…」  「うん。だけど、生きていれば意味は出来るでしょ?」 プタハシュペルは、歯を見せて笑った。  「あんたがいてくれたから、俺はここまで来られたんだ。役立たずの落ちこぼれでも、途中で逃げ出さずにね。あ! 見てよ、ほら。雲の切れ間から光の梯子が降りてくるぞ!」 雨がやんで、辺りの空気が透き通っていく。空から一条、眩い黄金色の光が、濡れそぼった大地の上に落ちていく。目を凝らすと、その光の先に何かが見えた。雨に濡れて凹凸の浮き上がった地面の一部が、丸く奇妙な形にえぐれている気がする。  思わず、プタハシュペルは駆けだした。駆けていくうちに息が弾み、足元で濡れた石が滑る。  「うわあっ」 もんどりうって転がった彼の目の前に、黒っぽい、つやつやした小ぶりな瓜ほどの大きさの石が転がっている。  それはあまりに唐突で、彼は、転がったまましばしそれを見つめていた。  それから、ゆっくりと体を起こし、両手で石を持ち上げて見た。  重たい。  それに、手触りも、大神殿で出発前に手にした「天の石」とそっくりだ。  追い付いてきたヘカネケトが、後ろから覗き込む。それと同時に、雲の間からさしていた光は、静かに薄れて消えて行った。  「ええっ…と…。これは…」 プタハシュペルは、しどろもどろになっていた。たった今、「神様の奇跡なんて過剰に信じることはない」と言ったばかりなのに。  「これは…その、えーっと。俺たちが頑張ったからついてきた結果、ということで…  「ぷっ」 ヘカネケトは、思わず吹き出していた。初めての笑顔だ。  「あはは。神官さま、こういう時は、偶然じゃなくて素直に神様のご加護を認めたほうがいいです。」  「…俺が走ったから、…走って転んだから見つけられたんだ」 泥を払って立ち上がりながら、プタハシュペルは、ばつの悪そうな顔になっていた。  「あと、今のはどっちかっていうと、太陽神さまの奇跡だろ?! 冥界神さまは昼間は寝てるはずなんだから。冥界神さまのお使いをしてるのに、…太陽神さまが手伝ってくれるなんて…なんか…。」 ぶつぶつ言いながら、彼はちらと頭上の、薄い雲の向こうに見えている白い太陽の輪郭に目をやった。  雲と雨を連れてきた天の湿気の女神と、大気の神もきっと、そこにいる。  「…でも、助かりました。ありがとうございます」 ぺこりと頭を下げてから、彼は、黒い石を両手で抱え上げた。  「ヘカネケト、持ってみる?」  「はい」 彼は片手で石を受け取って、意外な重たさに感銘を受けた顔をした。  「…確かに、これは、ただの石ではないですね」  「うん。これだよ、間違いない。さあ、帰ろう! メンネフェルへ」 満面の笑みとともに、プタハシュペルはそう言った。雲が過ぎ去るとともに、辺りには数日ぶりの光が戻って来る。冥界のようだった世界に昼の世界が、枯れ果てた死の大地に恵みの雨に濡れた芽生えの季節が。  それからずいぶん時が経った後のことだったが、あれは本当に偶然だったのだろうか、と、プタハシュペルは、時々、思い出しては考えた。  昼の世界を冥界に変えたのは、冥界神の力だったのか。それとも、ただの季節の変わり目の偶然だったのか。  現世に生きる人の努力と、神々の奇跡の境目は、一体どこだったのだろうか、と。
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