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慌てて辺りを見渡す。そーだ、オレバカじゃん?この時間にここにきちゃダメなんだよ。だから、マオーのところとか人間のとこにいたのに、
「姉さん?」
なかなか返事をしないオレに戸惑う凄い美女もといリリーだ。可愛い可愛いオレの妹よ、お前は何度言ってもオレの姉さん呼びを直さなかったな。それもこれも全てあの人のせーで、あ!
「リリー、オレちょっと用事あるからバイバイね。」
そう言って脱兎の如く逃げ出す。訳でもなくゆっくりまおーのところに行く、だってもー疲れたし?リリーから見えないとこに行けばそれで良いや。
リリーは追いかけて来そうだったけど、基本おっとりした子だからオレの言ったとーりバイバイしてくれるだろう。後もう少しでハロウィンの世界ってところで背後からふわっと抱き締められる。
「何処へ行く?」
「…せいれいおー、ちょっと散歩だよ。」
「嘘、魔界に行く気だろう?久しぶりなんだから私と過ごそう。」
「やだ、離してよ。」
「ふふ、やだ。」
しつこい緑髪長髪青眼金眼眉目秀麗のオッドアイお兄さん(せいれいおー)から逃げてた訳、答えは簡単オレに変なことするからだ。それに何かとオレのこと女の子にしようとする。え?分かんない?オレもよく分かんない。
でも、この人の顔を見た瞬間あのまおーの顔を見たときのちょっとした違和感も相待って重要なことを思い出した。
精霊ってことだけじゃ無いのって?オレもそれだけならどれだけ良かったか。だーいぶめんどー何だけど整理する?
えっとねぇ、まずオレは精霊なの。何のかって言うと鈴蘭の、知ってる?白いさーチューリップが下向いたみたいな小さい花、それでこの世界は精霊界でリリーもそう花の精霊前世オレと同じ鈴蘭で違うのはリリーは優しいピンク色ってこと。此処には精霊と妖精たちが住んでる。他にも魔界、人間界、獣界とかあって大体一つの大陸にいるんだよ。
そんで此処からが一番大事な事なんだけど、此処って前世で人気だったRPGの世界なんだよね。あ、知ってた?題名にあったって?言ってよー。
で思い出したけどオレもケッコー大事な役割なんさ。精霊だから助っ人キャラとか、召喚されて主人公と共に戦うと思うじゃん?それがね、…悪役なのさ。え?知ってるって?まおーの部下なんだって言ってたっけ?え?しかも題名にまたあったって?言ってよー。あ、ピエロって事も知ってんの、そーそー流石に精霊がまおーの部下ってバレんのは外聞が悪いじゃん?魔界に外聞もクソも無いけど。まぁだから変装してんの念じればその格好になる魔法教えてもらってさ他にも色々なれる、あのド○えもんの着せ替えカメ○より凄くない??流石ファンタジーって感じ。
オレはそこまでそのゲーム詳しい訳じゃ無いんだけどかなりヒットした為か本になって売っていて興味本位で読んだら面白くて何回も読んだし全巻揃えた。
はい、一旦現実に戻りまーす。ちょっとピンチかも?
「何してんの。」
「私と居るのに考え事しているみたいだったから悲しくなってしまったよ。」
エー、考え事し過ぎている間にせいれいおーのおうちに拉致られタヨ。ほんとこの空間慣れないわー、如何にも神聖って感じのしろーい部屋でポツンとこれまた広ーいベッドに押し倒されてまーす。ダレカタスケテー。しかも服脱がそうとするしー、もーーー。
「ぬーがーすーなーーー。」
「脱がないと出来ないことシない?」
「交尾だったらしないよ、そもそもオレたちには必要無いことでしょ。」
「そんな事ないさ、神は精霊にだって愛を与えたよ。必要無くてもちゃんと出来るようになってる。私達はただ愛だとか性欲だとかそういうのが薄いだけ。」
「だから脱がさないでってー。もー、ケルピー!」
「はいはい、姫さんお呼びっスか?って精霊王様との最中に呼ばないで下さいよ。止めれませんよ。」
この青髪青瞳でやっぱり眉目秀麗の水っぽい馬はケルピーっていう水の妖精でオレのマブダチだ。
あと姫っていうのは止めても治んないからまぁいっかってなった。オレただの精霊なんだけど。
「最中じゃないしー。」
「ケルピーか、いつの間に知り合ったの?鈴?」
あ、鈴もオレの名前のひとつね?ちょっとどっちも女の子みたい、え?まだあるのかって?そうなのまだあるのこれから読む人けっこーややこしいよガンバー。
「人間のとこで会った、オレのマブダチ。こいつ人間喰おうとしてたんだよー?絶対美味しくないのに。」
「別に好きで喰おうとしてたんじゃないっスよ。俺チョー偏食なんであの日は飢え死にそうだっただけで人間何ていっぱいいるんだから1人2人喰ったってどうって事ないでしょ?」
えー、ケルピー的にそういう見方なん?元人間として複雑だわ。でもケルピーが餓死してオレの数少ない友がいなくなるのはやだし、あっ!そーだ!
「あのさ、せいれいおーここキッチンある?あと食料と調味料とか?」
未だにオレの服を脱がそうとしてくるせいれいおーの頭を叩いて尋ねる。あ、強くし過ぎた?流石オレ戦闘力高いんだな。ケルピーがちょっと青い顔して痛がってるせいれいおーに大丈夫っスか?と声を掛けてる。ま、こんなんでもせいれいおーだもんね。よしよししてやる。あ、機嫌なおった。単純。
「無いけど、造る?3秒で出来るよ。材料は妖精たちに頼めば持って来てくれるよ。」
おーおー、ほんとに3秒。集まってくれた妖精たちに材料を頼めば直ぐ持って来てくれた。
ささっと作ったのは鶏っぽい鳥の唐揚げ!ポイントはオレの唐揚げはカレー味なのこの前人間界に行ったときカレーっぽい味の調味料手に入れたんだー、ごはんが進みまくるー!あとは二度揚げするとしないとじゃやっぱ違うし、さ!冷めないうちにドゾ!
「やっっっば!!!!は!?美味すぎこんなの森で食った事無いし!」
森には無いだろーなー。と思いつつ褒められて嬉しい。オレはな自分の好きな料理だけ極めるタイプなんだ!!
「鈴、一体何処で料理を?」
「人間がしてるのを遠くで見ててね。美味いならよかった。」
言い訳苦しーかな?まぁいっか。ん?おかわり?ケッコー飢えてたのね。え?これから人を喰おうと思ってた?アッブネ、はいおかわり。
「ていうか、妖精って飢死すんの?聞ーたことないよ。」
「はあーーー!美味かった!!うーんまぁ普通はしないっスね。でもほら俺って魔族とのハーフじゃないっスか、だからかなぁ?」
「ほー?」
ないっスかーって初めて聞いたんだけど…、
まぁいいか。
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