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ペロッと山のような唐揚げを平らげたケルピー。満足したみたいでよかったー。あ、後片付けはね。小さい妖精たちがやってくれてた。ありがとありがと。
「何かお礼がしたいっス。何がお望みです?」
「えー、いいよー。どうしてもって言われても、うーん……あ。」
「?」
「このひっつき虫(せいれいおー)から解放してオレを魔界に連れて行って欲しいかな。」
「………対価がデカイッスよーー!!!!!」
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それからまぁ大変だったが、結論からゆーとせいれいおーは離れてくれた。しぶしぶ、すっごいしぶしぶだったけどあんなでもまぁおーさまだからお仕事の時間がきたみたい。
てことで今は魔界にいる。
さっきぶりー震える化け物たちー!おー逃げる逃げるまっ○ろ○ろすけ並みにはけていくな…知らないかな。マジでオレ何したん?うーん何かオレとか動物とか人間とかを襲おうとしている奴らぶっ飛ばしてただけだけど、なんかした?
あ、ここまで連れて行ってくれたケルピーとはさっきバイバイしたよ、自分も付いていくって言ってたけどアイツ魔族の血流れてる癖に魔界苦手なんだよなー無理すんなってなー?置いてきた!
「す、すず、ま、またき、来て…くれたの?」
めちゃくちゃか細くかつどもった横から声が聞こえた。姿は見えない、えっとここは森の中間部で街まではまだまだあって居るとしても魔物くらいなんだけど、
「もしかして、おーちゃん??てゆーか何で隠れてんの?」
今木からぬっと出てきたのはこれまた数少ないオレの友達で鬼の魔人だからおーちゃんって呼んでる。…まぁ前髪で隠れててよく見えんがイケメンでね隠れマッチョで実は彫の深い顔してていつもっぽくいうんなら彫顔紅髪隠目白肌高身長眉目秀麗だよ。
「は、は、恥ずか、しく、て。」
あとちょっと恥ずかしがり屋さん。また来たってさっき会ってなかったのに何で知ってんの?まぁ取り敢えず、出てこいやー。グイッ
「わっちょっと!」ギュッ
力が強すぎたのか?おーちゃんを引っ張り出したら勢いでハグしてしまった。あれ、離れないな。
「おーちゃん?」
「すずとギュって、ぼ、僕すずのこと、だ、抱きしめちゃった!!」
「??」
30分後
「あ、あ!?ご、ごめん、すず僕ずっと抱きついちゃった。」
「んーん、別にいーけど。」
暇だったから寝そうだった。5分経った辺りから立ってるの怠くて座ったけど全然離してくれなかった。ま、仕方ないよねおーちゃんオレのこと大好きだし。
「オレちょっと逃げてきたんだ、匿ってくれる?」
「うん、勿論!また朝まで一緒にい、居よ?」
実はオレせいれいおーが怠くてほとんど精霊界には居ない。居るのはリリーに会う朝の数十分くらいだけで他は魔界か人間界に居る。おーちゃんはオレの事情知ってくれてるからよく朝まで一緒に居て時間潰してる。
説明はこんな感じでいい?では続きをどうぞー。
「今日は、ここにす、座ってもらって後ろ向いて顔だけ少し振り返って、そ、そう、そんな感じ目線下向きで、うん。じゃあ、は、始めるね?」
「おーちゃんさぁ、こんなに毎日オレばっか描いて仕事の絵は間に合うの?締め切り近いんじゃなかった?」
「だ、だだ、大丈夫って言いたいとこだけど実はちょっとヤバイ。……で、でもすずを描いてるとどんなのがいいか考えが纏まってくるから、こ、これは必要な事なんです!」
と最後は意地になってるおーちゃん、なんかよく分からんけど役に立ってんならいっかー。それからは偶にボソボソ喋ったりボーッとしてたり出来てこの時間が気に入ってる。気付けば朝だ。
言ってなかったかもだが精霊だって寝るときゃ寝る。けど起きようと思えば起きてたって倒れはしないし特に健康に害は無い。せいれいおーもそう、だから昼間は忙しいせいれいおーの暇な時間それが夜。お分かりかな?そんな時精霊界に居てみろ、直ぐに食べられちゃうよ。
おーちゃんとは半日ぐらいでバイバイして、次は人間界だ。今回はイツメンをボコるんじゃ無い、ほら、オレいちおー精霊だし他の世界に生えてる可愛い子供達も見に行くだけで元気になったりするんだよ。だから見に来てるんだー。ファンタスジック!
はい。
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