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なるほど、それで泣いたのか!
「安心して! 私が来たからもう大丈夫よ」
看護師さんは頼もしい。
正直なところ、検査ができなくて私は泣きそうだったのだ。
看護師さんは女の子の隣にしゃがみこむ。
きっと説得してくれるのだろう。
しかし、相手は所詮四歳。大人の駆け引きなど通じないはずだ。
いったいどんな言葉を掛けるのだろう?
「怖かった?」
看護師さんが優しく問いかけると、女の子は頷いた。
「あれが怖かった?」
看護師さんが指差した先には、検査機器はない。
壁を指差した?
いや、壁を見て怖がる要素はない。
よくよく看護師さんの指を見ると、私をさしているように見える。
もしかして、私を怖がったのか?
看護師さんが微笑む。
「顔が大きいから怖かったの?」
女の子は頷いた。
なるほど、それで泣いたのか!
私が原因だったのか!
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