玉ねぎ

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 ふと、耳元で声が聞こえた気がした。 「鮮やかだねぇ」  可愛らしい声。顔を見なくってもわかる。  弓香だ。  僕の作業を斜め後ろから覗きながら、弓香はため息をついていた。  感心しているのか呆れているのか、顔は見えないから分からない。  でも、彼女がそばにいると思えばそれで充分だった。
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