パニック編 ~イケメン腐男子、爆誕~ (1)

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 麗しや、ボーイズラブって、超最高。  思わず一句詠んでしまうほどの名シーンである。  マル×ルキがどうして尊いのか、あたしは選挙カーに乗って街中に演説してやりたい。  まずルックス。身長が低いけれど筋肉質なルキウスとのっぽで線の細いマルクスは並んだときのバランスがソーグッド。これだけでご飯三杯はいける。それに血気盛んなルキウスとおとなしく聡明なマルクスは性格も正反対。まったく違う性格だからこそ歯車のように噛み合う。お互い、相手以上にわかりあえる人間はいない。そこが萌え。それに加え、二人の親は政敵で……。  おっといかん。またひとりで脳内萌え語りが始まってしまうところだった。悪いくせだ。  世間一般様から言わせると、あたしは女子として腐っているらしい。  でも、そもそも「腐」ってすごくBLな漢字じゃない? たぶん、執事受けの主従カプだ。  朝、執事の「肉」は主人である「付」を起こしにきて、天蓋付きベッド(つまり『まだれ』よね)に向かって声をかけるが反応がない。 訝しげにベッドに近づいた「肉」を、「付」がベッドに引きずり込んで押し倒し、その後はもちろんチョメチョメするのだ。  ここまでくればわかると思うけれど、あたしと兄貴がお互いを自分の中で亡き者にしているのはこういう理由からである。
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