廃都物語

1

人類の身の上に起きた災厄の原因のひとつに、過度な森林の伐採があげられる。
焼き畑を始め、無駄な宅地開発。
それら、貴重な森林の伐採によって、砂漠化は加速度を増していった。

工場から流れる汚水は川に流され、海へと放出されていく。
結果、あり得ない色の川はそこに住む生物の奇形、または死滅に追いやられた種もある。

また、工場の煙突から排出される有害な煙は大気を汚染していった。

問題視されてきたこれらによって、母なる地球の怒りを買った結果が、この時代であった。

この荒廃を止めるべく造られたアンドロイドたちは、機械であるゆえに疲れを知らず、メンテナンスさえ怠らなければ指令を着実にこなしていく。
結果、緑化計画は功を奏し、酸素濃度も増えていった。

汚染された大気も、これにより浄化されつつある。
研究、開発に携わったナディアとアレクは、この結果に満足していた。