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各アンドロイドには、作業の進捗具合や各地の状況を確認するために、カメラが内蔵されている。
そのため、アレクの操作するパソコンに映像として映し出される仕組みだ。
次の画面に切り替えようとしたそのとき。
三人の目に画像の乱れか飛び込んだ。
砂嵐のあいだに画像が映るが、状況を確認することが困難なほと乱れている。
キーで操作して視点を代えても、直ることがない。
「………またか」
アレクが舌打ちをし、さらに操作を進める。
そのとき、会議室の扉が開きひとりの女が姿を現した。
ばっさり切られた赤い髪は、収まりかつかず無造作そのものである。
年のころは、ナディアと同じころ。
パソコンの傍にある椅子にどかっと座ると、タバコに火をつけ紫煙を吐き出す。
「こっちも、まったくだめ」
「だろうな。さっきから操作しても、どうとも動かん」
アレクは、キーを操作するのをやめ、椅子を回転させて向かい合う。
「どうだ、マチルダ。あのエリアの緑化は、進んでいるのか」
マチルダは、もともと亡国の兵士だった。
いまは、アンドロイドたちとともに各区域内の見回りを主にしている。
緑化を始め、暴動が起こらないために各地を転々としていた。
「だいたいはね。それにしても、こうもしょっちゅう使えないのは困るよ」
アンドロイドたちは、ときおり誤作動も起こしていた。
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