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ただ、それにはひとつ必要なものがあった。 コンピューターだけでは、臨機応変な行動が制限される。 柔軟かつ、人々の気持ちや意見を受け入れ、それらを反映出来る必要性が求められた。 それにあたって必要なもの。 それは、人間の脳髄だった。 人工知能での統治も視野に入れたが、あくまでも人々が望むのは人間による統治である。 だが、この混乱した時代において、人間による統治だけでは到底対処しきれない。 そして、肉体の寿命もある。 だが、その巨大コンピューターと人間がひとつになれば、全てを統治、監視することが可能なのである。 生き残った人類に、再び同じ過ちを冒させないためにも、それによる統治が望ましいというのが結論だった。
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