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そのまま、会議室の時間は止まった。
時計の時を刻む音と、データが吐き出される無機質な音が室内を支配している。
ハヤマは、視線を机のうえのファイルに落とす。
どういった調査が行われたのか、そこには数々の子供たちの報告書があった。
それは、このシェルター内にいる子供たちのもので、あとは最近保護された子供のものまであった。
そのファイルには、ハヤマの実子のデータも載っている。
ハヤマの実子も選ばれた理由は、公平さを欠かないためだった。
それはわかる。
だが、なぜ自分の子供までもが選ばれなくてはならないのか。
なぜ、自分のものではいけないのか。
子供のように、柔軟ではないのはわかる。
だが、これまで生きてきた全てはそこに詰まっており、亡国において統治をしてきた、という意味では適材適所ではないかと思う。
子供たちには、こんな時代とはいえ夢や希望もある。
そして、子供たちの未来のためにも安定した世界を与えたい!
いままでのつけは、我々大人こそが払うのが当然ではないだろうか。
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