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アレクは椅子を軋ませ背伸びをすると、ふたりを呼んだ。
集まったことを確認したアレクが、ボールペンでモニターを指し説明を始めた。
「……どうやら、沈静化してきているようだ」
指したその先には、気温を始め、酸素濃度などの数値がグラフとともに示されている。
「まず、気温が安定してきている。最近、茹だるような暑さを感じることは少ないだろう?」
それにナディアが答える。
「たしかに、そうね。一時期よりも、気温も一定に感じるわね」
「そうだ。そして、地殻変動も少なくなっている」
そう言うと、次の画面へとクリックする。
各地に頻発していた地震も、グラフが指し示すように減少が認められていた。
「……成果が、見えつつあると言うことか」
ハヤマの言葉に頷いたアレクは、さらに次の画面へとクリックしていく。
そこには、同じ顔をしたものが作業している画像が映し出された。
放射能によって汚染された、危険区域での作業を目的としたアンドロイドたちである。
それらは、人的な目線を考慮して人型に造られている。
やや中性的ではあるが、人間の顔つきに近い。
大量に造られたそれらは、インプットされた指令を着実にこなしていく。
危険区域での作業を始め、植樹などの緑化計画も担っていた。
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