そして君は泣いた

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 この日、一人の男児がこの世に生を受けた。  彼の名は郡山良哉(こおりやまりょうや)。  非の打ちどころのない平凡な男へと育つ素質を持った彼であるが、その事や名前についてはひとまず置いておこう。  母親の胎内から生まれ出た彼は、一瞬の後を置いて大声で泣き始めた。  泣き始めれば呼吸を始めたという事だからもう大丈夫。  皆はその姿に安堵し、また大喜びをして彼の誕生を大いに喜んだ。 「おうおう、元気な声で泣きやがって」  強面な彼の父親の目尻にも涙なんか浮かんだりして。  よく頑張ったな、ありがとうなんて母親の労をねぎらう事だって忘れない。  幸せな光景がそこにあった。
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