第2章 白い龍

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「それでもあんな大怪我をまた、させる人が現れたら、私イヤだもの」  ベルの心は変わらない様子だ。  ヴァンじいさんは大きくため息をつくと、 「分かった。ワシもできる限り協力しよう」  そう言うのだった。 「そうと決まったら、こやつに名前を付けてあげなければのう」  ヴァンじいさんの言葉に、ベルはしばらく考えたのち、 「やっぱり、まだ小さいからチビって名前にしようかな……」 「チビか。チビや、それで良いか?」  ヴァンじいさんにチビと呼ばれた白龍は、いつの間にか目を覚ましており、ベルとヴァンじいさんの会話に聞き耳を立てていたようだ。  ヴァンじいさんの問いかけに、チビは、くるる、と喉を鳴らした。  こうして、白龍の名前はチビに決まり、ベルはヴァンじいさんとチビとの新しい生活を始めるのだった。
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