第3章 チビとベル

2/14
前へ
/90ページ
次へ
 チビを拾った翌日。  ベルは魔導院でのレッスンを終えると、普段なら真っ直ぐに家に帰るところを、今日は村の中心にある魔導図書館へと出向いていた。  ベルはそこで龍についての知識を得ようと思ったのだ。魔導図書館の本は分厚く、中身も難しいことがたくさん書いてあったが、ベルは辞書を片手になんとか読んでいく。読めない文字もたくさんあったが、なんとなく龍について知ることができた。  ここでベルが知った龍の知識は、龍が肉食であること。特に魔物の肉を好んで食べているようで、このドラッヘン村が魔物に襲われずに平和でいられるのも、龍たちのお陰だと言うことが分かった。  子供の龍に関しての記述には読めない文字があり、何を食べるのかまでは理解出来なかった。  また、龍は三ヶ月に一度の脱皮を三回繰り返し、大人の龍になることが分かった。  ベルはそこでぱたんと本を閉じると、元の場所へとこの分厚い本を戻した。難しい言葉や文字とかなりの時間睨めっこしていたため、少し疲れている。  ベルは魔導図書館から村はずれにあるヴァンじいさんの自宅へと戻った。するとチビが喉を鳴らして出迎えてくれた。 「ただいま、チビ」
/90ページ

最初のコメントを投稿しよう!

38人が本棚に入れています
本棚に追加