第2章 白い龍

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 ベルは嬉しくなってどんどんと森の奥へ奥へと進み、薬草を(かご)いっぱいに集めていく。  どれだけ森の中を進んだだろう。少し開けた場所に出たベルは切り株の上に腰を落とし、指先の火を見つめながら休憩をしていた。  すると。  ガサ……!  ベルの居る開けた場所から少し離れたところから物音が響いた。 「え? 何?」  ベルは恐る恐る音のした方へと進んでいく。  鬱蒼(うっそう)と茂る森の中に、真っ白で小さな龍が血を流して倒れていた。 「大変!」  ベルは指先の火を消すと、その白龍(はくりゅう)へと近寄る。しかし白龍は警戒し、喉の奥をグルグルと鳴らしていた。 「大丈夫だよ!」  ベルは白龍へと駆け寄ろうとする。しかし白龍は鎌首を上げて、ベルを威嚇した。 (こんな時、おじいちゃんみたいに治癒魔法が使えたら……)  ベルは自分の無力さを痛感し、悔やんだ。  このまま放っておいては、この白龍の怪我だと死んでしまうかもしれない。ベルはなんとかして助けたいと思った。 「大丈夫……、大丈夫……」  ベルは白龍へと呟きかける。白龍は動くのもようやくのようだ。  そんな白龍へと、ベルは小さな手を伸ばした。  バグっ!  噛まれた。
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