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31-2 ☑
「どうして……
どーして、その女と一緒の部屋で一晩一緒になんかいられたの?
どうして笑いながら普通に話すの?
私の気持ちは考えないの?
酔ってたって男女が一晩一緒に1つの部屋で過ごしたんでしょ?
何もないって有り得ない!
どうしてすぐに女を置いて他の部屋に行かなかったの?」
「酔って気持ち悪くなって早く横になって眠りたかったから
また別の部屋に移るっていうのは、その時考えつかなかった……な。
そもそも俺がその気にならないと行為に及べないんだから
そっちの心配はしてなかったし。
男にその気がない場合、大事にならないさ」
「今回は酔い過ぎてそんな気にもならなかったでしょうけれど
もし、ほろ酔い気分の時に襲われてその気になってたとしたら?
そういうのは考えないわけ?
その相手が常日頃から可愛くて出来ればお手あわせ願いたい子だったら?
据え膳いただかずに我慢できちゃうの?
あなた、危機感なさ過ぎじゃないの?」
「何なに……焼餅まだ焼いてくれんの?
大丈夫だって!
女房思うほど亭主モテもせずって言うじゃないか。
さっ、この話しはこれでおしまいにしよう。
そんな手紙気にしなくていいさ」
確か、最後はそんなふうに由宇子に畳み掛けて手紙の件を
終わらせたっけ。
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