女子大学生Wとの会話

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なかなかに辛辣(しんらつ)だが、この世が住みやすくないのは確かである。今私たちが暮らしている所は天国ほど安寧に過ごせる気もしないし、地獄ほど激烈な苦痛の中に身を置いている訳でもない。宙ぶらりんで快楽と苦痛の間を常にふらふらと漂っている。我々の世界はひどく不確かだ。ならば闇が扉の向こうからぬらりと姿を現しても別段驚かないのかも知れぬ。寧ろただ暗いだけなのだから変に明るい所があるより幾分か親切だ。彼女が口を開く。  今日はありがとう、スッキリしたわ。もう母の事はそんなに悲しくないみたい、人間て薄情ね。お茶代は私が払うわ、ほんのお礼よ 一度は断ったが、Wの言葉に甘える事にした。結局彼女の頼んだ飲み物は遂に運ばれてこなかった。  別れ際、彼女はもう一度お礼を言った。私も何か言おうとした気がするが、その時Wの姿は人ごみの中に消えていた。  これ以来、彼女を見かけていないし会う事もなかった。 後書き 読んで頂きありがとうございます。 フィクションとしてこの話を書いていたのですが、どうも実際に起きた事の様にも思えて来たのです。どうやって話を完結させようか想像力を働かせている気もしたし、はたまた頭の奥の方から曖昧な記憶を引っ張りだす作業をしている感じもしました。 みなさんの周りにもWの様な人間はいるでしょうか?
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