学校の裏山に幽霊?

2/3
前へ
/38ページ
次へ
ある日、小学校で同じクラスの若菜が、教室に飛び込んできました。遅刻でもするように。 「どうしたんだ、若菜? 遅刻でもしてきたのか?」 山富士先生がふざけて尋ねました。 「そんなんじゃない、やまふじ。」 若菜は言いました。 山富士先生は、校長先生ですが、呼び捨てにされても、怒りません。 山富士先生は、ちょっと変わった人です。 先生は、痩せっぽっちで、 毎日、上下、青色のジャージを着て、学校にいます。 先生は、校長なのに、校長室や職員室にいないで、いつも生徒の教室ばかりに、顔を出します。 そして、おもしろい不思議なことを、いっぱい言うんです。 うちのママは、山富士先生の事を、いつも何が言いたいのか、さっぱり分からないと言っています。 「若菜、何があったの?」 エリーが尋ねました。 「学校の裏山で、幽霊が、目撃されたんだって!」 若菜は答えました。 「幽霊が、目撃されたって本当?」 二階の教室から、和夫とクラーク博士が、走って駆け込んできました。 二人は騒ぎを聞きつけて、尋ねにきたのです。 「三年生のしなちくがそう言ったの。」 若菜が答えました。 しなちくは、一年前、シナ地区という所から、引っ越してきた、外国出身の 男の子 の生徒です。 「なんだ、しなちく が言ったのか。じゃあ、ウソだ、」和夫は言いました。 しなちくは、 まだ日本語がそんなに話せないので、間違った言葉をたくさん話すのです。 「聞き間違えたんじゃないの?」 私は尋ねました。 「ううん、そんな事はない。本当にそう言ってたもん。」 若菜はためらいながら言いました。 「先生も見たよ。昨日、学校の裏山で、目撃されたんだ。」 山富士先生が元気よく言いました。 でも、その後はあまり話を聞いていなかったようです。「······ええっと。ナニが発見されたんだっけ?」
/38ページ

最初のコメントを投稿しよう!

9人が本棚に入れています
本棚に追加