355人が本棚に入れています
本棚に追加
「ただいま」
「お帰り」
晴夜くんが玄関から動かなくなる。
「あ……れ?今日は来ちゃ駄目だった?」
何時でも来ていいって、真に受けたのが不味かったのだろうか?
一応はメールしていたが、合鍵を使わず待つべきだった……と思考を巡らせてるうち、彼が側まで来ていた。
そのまま爽やかな香りに包まれる。
「さくらなら、いつ来ても歓迎だ。ただ俺の彼女のサンタ姿が、可愛いなと思って……」
俺の彼女ってワードに、今でも慣れず照れてしまう。
「クリスマスだからって、凛がくれたの」
可愛いデザインの赤いワンピース。きっとサンタの定番に近いと思う。
凛はセクシーサンタで、気になる彼を落とすんだと意気込んでいたっけ。
「水瀬さんかぁ。なら楽しみだな」
意味有り気に、唇の端を軽く持ち上げた。
最初のコメントを投稿しよう!