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もう我慢できん。叫ぶぞ。
「あーーー忙しい。人間どもめ。どんだけ地獄が好きなんだ」
ふぅ……少しスッキリした。
さて……。俺様は鬼だ。しかしただの鬼ではないぞ。鬼の中の鬼。鬼の王だ。地獄を統括する鬼王だ。
鬼王だ。
大事なことだから二回言った。
荘厳で格式の高いこの素晴らしーい城も俺様のものだ。
そんな城に先ほどの俺様の声が響き渡っていいる……。
凄いな! もう十秒ぐらいになるのに。いまだに俺様の声が反響しておる。
しかし、周りの鬼共は我関せずという感じでスルーしやがる。くそが。
まぁいい。仕事に戻るか。
再び、手に持っている資料に目を移す。
はぁ……。なんだか最近、やたらと死者が地獄に落ちてくる。
地獄に落ちるかどうかの審判はパワハラじじい……。いや、閻魔様が適当に……。いや、厳格に行っているから俺様が口を出すことはしない。いや、できない。
俺様の仕事は、地獄に落ちてきた者を住民として登録し、現世での罪状に応じ住居や罰を定めることだ。
だが、それで仕事は終わらない。
住民が転生して新たに現世へ戻るまで、悪さをしないように監視をしなくてはならん。
現世での罪が重い輩ほど転生まで時間がかかる。質が悪いことにな。
揉め事を起こす輩にはすぐに罰を与えんとアカンしな。
最近はやたらと地獄に落ちてくる輩が多い。まさに猫の手も借りたい状況だ。
しかし、最近は地獄にも働き方改革の波が押し寄せ、鬼達にもちゃんと休みを与えなければならなくなった。
そのしわ寄せがこの俺様に降りかかってきた訳だ。
もう死にそうだ。俺様。
イライラが溜まるが、何か言うとすぐにパワハラとか言われる。
全く、地獄も変わった。
天国でのうのうと暮らしておる神様の奴とは違う。こっちの仕事を手伝えや。
閻魔様も立場上地獄の主なんだが……。手伝ってくれないかなぁ……。
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