鬼の目にも涙

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そんなくそ忙しい最中に、天国を統括しているじじい。つまり「神様」が、昨日、俺様の城にやって来た。そして、こんな愚痴を言ってきた。 「鬼王ちゃーん。」 馴れ馴れしいんだよこのじじい。 「元気?」 元気な訳ないだろ。1週間寝てないんだぞ。 「天国はさぁ…めちゃ暇なんじゃよ。最近はみんな地獄に行きおるでのぅ…。今年は92%だって。人間が地獄に行く率。」 世も末だな。 「だから最近ずっと寝とるわ。住民の管理業務は天使達で大体対応できるしのぅ。」 朽ち果てろ。くそじじい。 「まぁ天国に来るような者達だからのぅ。揉め事もなく平和じゃよ。」 俺様も天国に行きたい。 「鬼王ちゃん。やっぱ地獄の管理は大変?」 コイツは俺様にストレスを与えに来たのか。 「ね?地獄の管理って大変でしょ?でしょでしょ?」 早く帰れよ。 「でさぁ…。そこで提案よ。地獄の人間をさぁ、何人か天国に回してちょ!」 何を言っているんだこの馬鹿は? 「別にいいじゃん。鬼王ちゃんも少しは楽になるんじゃね?」 もう一度言う。何を言っているんだこの馬鹿は?
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