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そして、あみだくじで選ばれた奴らが入ってきた。
なんであみだなんだよ。
5時間かかったぞ。
「ついでにこんなもの作っときました。」
垂れ幕だ。そこには「鬼王を泣かせたら天国行き!」と書かれている。
「よし。後で城の外壁に飾っとけ。」
「了解。」
ちなみに「かしこまりました」でもいいぞ。
「そろそろ始めてあげますか?」
青鬼が住民達の顔を見ながら言った。
「ああ。」
「おっしゃあ!オレからだ!」
俺の言葉を聞き、いかにも悪人面な奴が叫んだ。
「それでは聞いてくれい!」
話の内容はいたって単純だった。
無理心中しようとした母子。しかし、自分だけ生き残り、悲しみにくれる母。
ところが神の奇跡か子供が息を吹き返し元気になったと。
母は神に感謝すると同時に、子供と共に前を向き生きていこうと誓う。
そんな内容だ。
「どうですか?」
悪人面が言った。
「この話のどこに泣く要素がある?」
「な、なんだって!貴様、鬼か?」
鬼だ。
「ちなみにその母は地獄行きな。だって子供を殺そうとしたから。重罪だわ。」
「鬼!鬼!」
うるさい。そう何度も事実を連呼するな。
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