鬼の目にも涙

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「今度は私が…。」 初老のじじいだ。えらくガタイがいい。 「ふむ。かかってこい!」 生前、何かスポーツでもやっていたのか? 「ふふふ、喰らえ!」 いきなり俺のすねを蹴っ飛ばした。 「はっはっはっ!弁慶の泣きどころだ。いくら鬼とてここを蹴られては…。」 じじいのセリフが止まった。 じじいの左足が粉々に砕け散っていた。 「お前らとは体の作りが違うからな。」 「あおーん。」 遠吠えとともにじじいはくたばった。
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