恭子

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「いい眺めだなあ」  手すりの上で両手を広げる  吹き付ける潮風が心地良い 「危ないよ」 「うん、危ない」 「降りなよ」 「ううん、降りない」 「どうして」 「どうしてだろ」  短いやり取りの繰り返し  その間に薫は一歩また一歩と近づいてくる 「ばいばい」  私は潮風へと体を預ける様に、手すりの外側へと傾いた
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