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薫
「おかえり」
住宅街の中の家の一つ。隣の家と殆ど同じデザインの私の家の扉を開くと、久しぶりに見る兄の姿があった
「お兄ちゃん、なんでいるの?」
「会社の意向で地元で働く事を推進していてな。それで、うちの近くにも事業所があるから帰ってきたんだ」
「聞いてない」
「お前には伝えない様に頼んどいたからな」
「知ってたの、母さん!」
「ごめんなさいね、サプライズだって言うものだから」
リビングに座ってる母が、兄の後方からひょこっと顔を覗かせる
「びっくりしたろ」
「したけど!」
私は部屋に荷物を置きに行き、早足で兄のいるリビングへと戻った
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