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遠くで汽笛が鳴った気がして
雲は流れて秋桜が揺れた
そろそろ時間かもね
悩むことがあると来てしまう公園
赤いポストの角を曲がって坂道を登って
揺れる影は私1人
もうアスレチックの遊具は無くなったの
滑り台ひとつベンチふたつ残ってるだけ
見え隠れする思い出とあなたの声
口数は少なかったのに
たったひとつ教えてくれたこと
「秋桜の花びらは必ず8枚なんだ」
伏し目がちの横顔を
いつも見つめていた
私を見てくれた一瞬は今でも永遠
互いに1枚ずつ花びらを摘んだ
花占い
最後の一枚を交換した
そろそろ時間かもね
思い出せば涙が溢れてしまうの
悩むことがあるとここに来てしまう
でも泣いてばかりじゃ
思い出まで滲んでぼやけて
元に戻らない気がする
思い出すときは笑顔でいたいの
秋桜は恋心に似た色をしてる
大好きだった
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