やっぱり頼まれちゃった王様

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やっぱり頼まれちゃった王様

 異世界からこんにちワン オーラル魔神アースワンに行く編  マジで何とかしてよダーリン。  裸で股がったまま、愛人の中央国家セントラルの女王はうんざりした顔で言った。 「何をだ?」  そう問うたのは、学園国家アカデミーの国王ジョナサン・エルネストだった。  いつもの光景という意見もあろうが、ジョナサンの愛人と嫁は、ジョナサンがちゃんと満足させないと、平和な国家運営に支障を来すのだった。  何しろ、欲求不満のウェストランドの首長辺りが愛機の銀龍に乗って暴れただけで国が一つ滅びかねないのだった。  前にシミュレーションしてみた。  銀龍対空中機動要塞ダインクーガーの対決をしてみたらどうなるか。  要するに銀龍の口から放つ破壊光線ジェノサイドブレスと、計8号城の空中要塞艦隊が撒き散らす爆裂ミサイルアリエールの鉄槌の波状攻撃の余波で、無事アカデミーは消滅という結果が出た。  もしそうなった際に真っ先に殺されるか拐われるのは俺だし。  ところで俺の視線は上気し発情したミラージュの首元でフワフワと揺れる美しいプラチナブロンドと、たゆんたゆんに揺れるおっぱいに向けられていて、ミラージュの視線は俺のしぼり込まれた腹筋に向けられていた。  時折腹筋を指でイジイジしてたのは覚えている。  少しだけ説明しよう。俺、ジョナサン・エルネストに向かって、同じように股がり、お尻をプルンプルンさせていた奥さんのフランチェスカ・ルバリエ・エルネストは、事が終わった後でこう言った。 「貴方、少し太ったわよ」 ムカっと来た俺は、ついフラさんにこう言い返した。 「太ったのはお互い様だろう。重かったぞ、さっきは」  はあ?心のトーンが激落ちした声がした。 「4人産んだのよ?食っちゃ寝してエッチしかしないヒモ国王の子供を。その私が重い?もう一度言ってごらんなさい」  ヤバい。殺されると思った。  いや!実際30過ぎて丸くなったのは事実で!まあ30越えればみんな一緒か。  実際平和で戦うこともなくなって、俺はみるみる丸くなっていたようだった。  このままじゃいかん。そこで俺は奮起した。  王様業務をしばらくお休みします。という書き置きを残し、俺は失踪した。  目指す場所は決まっていた。  任せろジョナ坊!これはアースワンもツーもねえ!おっさんが避けて通れねえ男のゴゴドンゴだぜ!  愛人イシノモリ・ユノの父親であるイシノモリ・サゲンタ、体脂肪率ほぼ1桁代の義理の父親は、素晴らしく絞り込まれた胸筋をさらけ出していた。  その後何があったのかは言えないが、1ヶ月後、フラフラと城の前をうろついていた俺は、タルカス・シーボルトに保護された。  コーウェル先生の診断では、極度の疲労と栄養失調だった。  その日の朝刊の一面の見出しは「1ヶ月間迷子だった犬を警備が発見!飼い主の王妃殿下は驚きの保護」だった。  そして、ついに俺は、自分をコミットすることに成功したのだった。  とりあえず城の業務に一切支障がなかったのはどうかと思った。  俺がいなくてもアカデミーは大丈夫だとはっきり言われた気がした。  それはまあいい。結果だけいうと、  フラさんは俺を一切断らなくなった。  一緒にプールに行った時、たくさんいたママさん世代は俺の腹筋をガン見していた。  ママさん達は皆揃って見事に発情し、水着のおっぱいがプンとポッチしていた。  勿論フラさんも凄いドキドキしていたのを感じていた。  水の中でこっそりおっぱいのブラに指を入れても、フラさんは嫌がらなかった。  ダイエット前は拳振り抜いたのに。  その日の夜は最高にホットだった。 「もう素敵よ♡カッコいいパパ♡ああこの胸板ドキドキしちゃうわ♡いなくなっても全く困らなかったけど、1週間で心配で堪らなくなった。んんん♡深い♡好き♡このワンちゃん好き♡ごめんなさい♡私もダイエットするわ♡もっと♡もっとギューってして♡」  驚いたのは、他の愛人達ですら、揃って風当たりがよくなったことだった。  ユノですらさりげなく俺の腹筋にみとれていた始末だった。  ビバシェイプアップ!マジで死ぬと思ったけど!  っていうか普通にやってたイサク何だよ。 「何だ?何でも言ってみろよミラージュ。俺の腹筋にかけて。何でも聞くぞ?ああああ」  ミラージュのムッチリした太腿が、俺の腰をキュっと締め付けたのが解った。  事後のキスの後で、ミラージュが胸板に頬を付けて言った。 「困ってんのはあのトラブルメーカーよ。なまじっかおかしな方向で実績残しちゃってるから始末におけない。アリエールは自由にさせといた方がいいって言ってるわ。まあ、一時的にでも投獄出来てよかった。でも駄目だと思うの。抜本的な意識改革が必要よ」  まあなあ。胸筋回りをスリスリされる感触を心地よく思いながら、ミラージュの綺麗なプラチナブロンドに指を通して言った。 「だけど、まああいつも俺の可愛い?生徒だしなあ。意識改革か。よし任せろ!まずは見映えから変えるぞ。あの馬鹿のアニメ会社を襲撃だ。脱オタクだ」 「罪状は幾らでもあるわ。どうせまた私を題材にしたエロ漫画描いてんでしょうよ。ダーリン、あの馬鹿が描いた絵のいかんによってはこれの使用を許可する。路地の隅で片して。これによりダーリンが捕まり、あるいは命を落としても私は一切関知しないからそのつもりで」 「これで撃てってのか。隣国の国王に不穏分子を粛清させるか?普通は」  明らかに俺鉄砲玉にされてる。  どうでもいいけど全裸でベレッタM93R持ってるのを見ると凄いムラムラする。  白魚のような肌と、武骨な黒い鉄の塊のコントラストがいい。  バレルを握って差し出されたグリップは、ああよかったユリアスじゃない、ドラゴンの骨だった。 「ブリュンヒルデを撃ったら、こっそり肩胛骨を引っこ抜いてきて。加工してグリップにしてやるわ。誰がおっさん共にボテ腹晒すのよ。オタクに地獄を」  俺を何だと思ってるんだ?お前は。  ムラムラが綺麗に去っていったという。
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