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第二十話 大変なことに気が付いてしまったのデス
次の日の朝、私は学校へ、父さんはおじいちゃんのところへ行くと二人別れて出て行きました。帰りはお爺ちゃんのところへ寄るから待っていてねと言って。
勉強するわけじゃないけど、いつものように鞄にはいろんなものを詰め込んでいったの。
朝一番に来られたのはドアーフのレオナルドさん。
彼は私の前に地図を広げたの。
「いいのですか?」
君は口外しないだろうという、私は微笑んだ。
坑道は入り組んでいるけど、今は…。
「やはりか」
どうかされたんですか?
実は泥棒が入ったのは無くなる国、この変なんだそうだ、だいぶやられていて、この国の支店長は大変だったみたい。
虫が知らせてくれてたのですね。
その時対策を取っていたらと彼は言いました。
もしよければ、盗まれたものを教えてくださいますかと尋ねた。
農作物はほとんど持っていかれた、それとなぜかドアーフたちが借金の取り立てなどで使う証券類が荒らされていて、その中の一つ、採石場の債券が盗まれていたんだという。
やはり石、それも採石場。他はと聞いたら、現金なんかは手つかずだというのだ。
なんでだろ?
彼らも首をかしげていたそうだ。
もっと突っ込んで聞いてみた、採石場はどこの国ですか?
この国、それも、シャートン様のものだったみたい。
私は少し考えた。
昨日の話を覚えていますか?
ああという。
犯人は捕まっていない、石はこれから必要になる。もしもこの話を知っている人がいたとすれば。
石の値段を上げる?
それで利益が出るのは?
この権利書を持ったもの。
「そいつが犯人?」
それだけだろうか?
頭に浮かんだのは、土地ころがし。
権利書はシャートン様から買ったの?
国から買ったという。
「いつですか?」
「去年の今頃か?」
石の値段を上げるつもりだ。
でもなんで国?
指示したのは王様?・・・なんで?
それはアッサムと話したこと。砂は売れる、実際私の村は、彼らのところに行き買い付けをしている。鉄を取るためにだ。
戦いが起きれば何が必要になるか、それと同じ、災害は自然との闘いだ、だから利益のある人は、それをうまく活用して値を吊り上げる。
「王族には私たちよりもっと知恵を持った人たちがいる、先にこの話を王族は知っていると思う」
「だが昨日息子たちは来ていたじゃないか」
「…王様との間に確執があるとしたら?」
「まさか・・・」
私は彼にその話をしました。あくまで仮説です。
驚く彼。
「犯人を捕まえるには根気がいるようですね」
「そうなると思います」
「まずは、坑道の封鎖、すぐにでもかかります」
その方がいいでしょうと、彼を見送った。
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