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第六部 第一章 二度あることは三度
第一話 ポップコーン、デス
十二歳です。夏です、山の上のお花畑です。
「うわー」
「きれい!」
女の子はお花が大好き。
キャッキャと大騒ぎです。
メナール達が遊びに来ました、王様がお元気になられたので湯治に来られ、あと数日でお帰りになられます。
「お前らはえーよ」
花畑に座る私たちを横眼に、ハア、ハアと言いながら登っていきます。
「遅い、ウエストハーなにしてたの?」
内緒、アレン―、と手を振っていますが、なにやら持っています。
ハウエルはお兄ちゃんたちと何かしゃがみこんでしています。
「兄弟バラバラって言うのも個性ですかね」
「そりゃそうよ、末っ子が上に勝てるわけないもの」
ここにハリーはいません、彼は長男ということもあり、王さまについて歩いているのです。勉強ってとこですよね、この二人も、まあいつかということでのんびりなんだけどいいのかね?
パン!
「なんの音?」
パパパパン、パンパパパン!
ヤギが音にびっくりして、人形のように転がって、笑い声が聞こえています。
「行ってみよう」
花を手に頂上のほうへ、音はこだまになって聞こえています。近づくと音はポンポンといい音です。
「あ、バター」
「本当だ、いいにおい」
ぽんぽんという音がまだしています。
松ぼっくりに火をつけ、その上にはフライパン、ふたがしてあります。
「あーずるーい」
「お前らのはないよーだ」
「遅く来たのってそれ?」
「悪いか、男だけでクーンだ、アルべ、まだか」
もうちょっとという兄。
ふたをずらすといい匂いです。
「ポップコーン食べたい!」
「お前らこの間くっただろ?」
「いいじゃんか」
そうだそうだ!と女子軍団です。
「メナール、いうようになったな」
「この前までビー、ビー、泣いてる、泣き虫だったのに」
「べー、ねえ、アレン少し頂戴」
色仕掛けです。
んー、悩んでいます。
「やるなよ」
「男同士の約束だからな」
「約束!」やはり男同士というところでしょうか。
「うわー懐柔してやんの」
「なんだとー」
「へーんだ!」
「ハミエル、食うぞ」
「食う!」
いいもん、あっち行こう。
トウモロコシ、ありました、主食が小麦と言われ、絶対あると探したんです。
普通の甘いコーンじゃないのです。そういえば、品種改良したんだよなと思い、それでも幼い私には、ただ美味しい物が食べたいということで、甘いコーンを作るようになり、今じゃそれはもう、めちゃくちゃおいしいものができるようになったんです。
ヒュートン領で見つけたコーン、ヒュートン様にこれで何か作れないかと言われたんだよね。
最初お預かりしたのにびっくり、食べれないことはないですよ、おいしいんですけどね、白黒やなんだかめちゃくちゃカラフルでペルーを思い出しました。ちょっと食べなれた黄色いものとは違う、もしかして粉にしたら?トルティーヤ、なんて思っていたんですけどね、乾燥させたものをちょっと火のそばに置いたら破裂したんです、これはと思いました、一年、からからに乾いてます。
爆裂種、ムフフフ。
つまみには最高ですよね。
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