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第二十一話 またのようデス
そのころ三兄弟は、先生のところで話を聞いていました。
「脱帽だな」
「俺は耳が痛いだけでここまでは、兄上?」
「ハリー兄上?」
「ああ、すまない、チャームにも話を聞きたいな」
トントン。
そこに顔を出したチャーム。
手が空いたかと聞き、ちょっと聞きたいことがあると言われました。
「ドアーフはきたか?」
今さっき帰った。
「採石場の権利書が盗まれたと聞いた、君はどう思う?」
ズバッと切り出してきたな。
「その権利書の出どころ、どこだかご存知ですか?」
「知っているといったら?」
「兄上?」
「なぜですか?」
チャームはため息をつきます。
「私たちより先に気が付いた人がいる」
それは誰?
いえない。
なぜだ?
物価が上がる、だから。
「石は売れる、それを支持したのが…」
「そういうこと、権利書は使われるは、泥棒は、うまく回して利益を自分のものにして、権利書を売り渡した人が、泥棒の疑いをかけられ掴まる」
「お前!」
「落ち着け。そっちはドアーフで何とかなるな」
「たぶん」
「では国のほうの話を聞こう」
先生にはどの辺の話を聞いたのか聞き、この先、王子たちの力で、ほかの国に知らせ、どうか、民草を守ってほしいと頼んだの。
その話の最中もカタカタと地震は起きた。
それではと立ち上がった王子たち。
お昼でみんなも帰る。私も帰る、送ると三人と一緒に廊下を歩いていた。
「ハリー」
ん?
この話、王様は知ってるよね?たぶん。
へ?と言いながら振り返った。
こんなこと思いたくないけど、ドアーフの
そこまで言って口をふさがれた。
驚いた、ハリーはそのまま耳もとでこういったの。
絶対誰にも言うな、兄弟にもです。
これは私とハリーだけの秘密。
「いいな」
うんうんとうなずいた。
学校の前には栗馬車。
一緒にうどんでも食べに行かないかと誘われましたが、父さんと待ち合わせているので今度ねと、お断りしました。
三人が乗り込みバイバイと手を振った。
さて帰ったらあれをして・・・
ふと、後ろに人影を感じたの、振り返ろうとしたら・・・。
どんと、背中に鈍い痛みが走って崩れ落ちた。
私はここで意識をなくしたの、どうなったって、たぶん後ろから誰かにつかまった。しっかりひっかいてやったけど・・・。
馬車の中です。
「兄上どうかなさったのですか?」
え?あ、いや。
その時です。
【ハリー!】
ん?
「なんだ?」
それだけでした。
男の声しか聞こえませんから、それが誰かわからなかったんです。
「おい、止めろ!」
馬車は急ブレーキ。
ハリーは一人馬車から飛び降ります。
お前ら先に帰れ。
「兄上は!」
「すぐに行く、途中で馬車を送ってくれ、チャームの学校まで」
ハリーは走って行ったのです。
そして私は、誘拐されたようです。
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