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第十六話 いい天気デス
次の日の昼前には風が止まりました。
「楠さん、もみの木爺さん、行くよ!」
【おう】
【はー、いきかえるぅー】
水を撒くのは禁物です、そのため風を起こし灰を落とします。
ただし、下は風で舞い上がらないように、すこしだけ水をまきました。
【チャーム、こっちもよこせ】
【うわっぷ、泥、うわー、死、死ぬ―】
「ごめんごめん」
【復活!】
【もう少し優しくしてくれよなー】
いろんな声が聞こえて耳が痛いです。
【もっと上、上】
届かないよー、これで勘弁してー。
「かせ」
え?後ろを振り返りました、そこには私よりもずっと背が高くなったイケメン二号。
「任せていい?」
「おう」
電気がないのに何で風を?と思うでしょう、そこは、ポンプ、竹の先に足で空気を送れるようにふいごをつけたものです。ホースの部分は羊の腸を加工したものです。
兄に任せ、畑を見に行きます。小麦の収穫は終わっていて、ここはこれからだからいいや、それよりも。
「お、みんな元気!」
元気!の声がします。
ビニルハウスはないので、石の柱の上に三角屋根を乗せただけの物をところどころに作りました。
端のほうの子たちが少し灰をかぶっているのではらってやりました。
温泉や、水飲み場、家の補強もしたし、ヤギ小屋も頑丈なものを作ってあったので良かった。
ヨハンさんの店は今頃大変だろうな?
「すみませんスコップ下さい」
「外にあるのでどうぞ」
「悪いが、バンブーンホースくれ」
「はい、長さは?」
「箒もらうよ」
「毎度あり!」
そしてこっちでも。
「ハート印のじょうろはあるかい?」
「ありますよ、大きさもいろいろあるんで、見てください」
「ヤンさん、傘をください」
「はいな、大きさいろいろあるね」
そしてこちらでは?
「では、叔父上、これでよろしいですね」
ああ、いいだろう、と大臣たちにも書類を渡しています。
「これからはちゃんと見張らせてもらいますからね」
すみません、皆さんどうか、よろしくお願いします。とハミエルは頭を下げました。
「母上も、口出し無用ですからね」
わかってますよ、何位もできないんだもん、静かにしてます!
お金は国のもの、我々が自由にできないのだと親を戒め、大臣たちを引き締め。
金の管理は、大賢者、叔父上たちに頼み、しっかりにらみを利かせてもらう。
やりくりは、財務省を強化。国、国民の了承がないと使えなくなった。
それでいい、贅沢したからこそ欲が出たんだ。
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