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第二十一話 歯ブラシは、植物デス
「なあ、聞いてもいい?」
「なに?」
お前が今着ているものの名前はなんだと聞かれました。もちろん、ハリーにもきてもらっています。入院しているときから何度も着てるじゃない。それでも名前は知らないというのだ。
「パジャマ?なんで?」
変な名前、夜寝るときは、彼らは、ワンピースのようなものです、それは知っています、何度か見たから。
ベッドの布団をめくり上げると、ハリーは奥の方へ少し体を動かした。
「山でしょ、昼と夜の気温の差が大きいの」
「気温?」
昼は暖かいのによる寒いでしょ。
そういわれるとそうだな。
このほうが動きやすいし、寝相が悪くても少しぐらいなら風邪をひくことはない。
まあそうだな。
うちの家族、夜はこれで寝るから、朝起きてもこの格好のままが多いでしょ。
そうだな、動きやすいのか。
女は特にね。
ふーん
「何かいてるの?」
「ああ、石鹸の注文、ウエストハーから頼まれた」
「ン?お花の名前?」
「ああ、香りをな」
「すごーい、お花の匂い?」
「ああ、天気が良くなったら源泉のほうに行ってくる」
「一人じゃダメよ、絶対だめだからね」
わかってる、男三人で入るから。
それならいいか。
オリーブを見つけました。
ツバキ油もいいのですが、やはり、何かと便利なのはオリーブの方です、今じゃシャンプーの開発もしています。
王子様たちは何で頭を洗っていたのか聞いたら、植物の実、それも泡が立つの、すごく高くて、北の国の寒いところでしか取れないんだって、落ち着いたら行ってみたいです。
でも今は。
「養鶏場も軌道に乗ったからな、なあ、あんなに卵どうするんだ?」
実はあれで頭を洗いたいと話したんだ。
贅沢だな。
でもかゆいのを我慢するよりずっといいんだもん。二週間に一度だけです。
「あ、そうだ」とガバット起きた。
なに、びっくりした。
あ、いやいいとまた寝た。
手帳を差し出すと書き始めた。
彼もアイディアは生まれているようです。
「寝よう、明日も早いし」
あくびが出る。
そうだな、明かり消すぞ。
うん。
山羊小屋のロフトはアレンが使っています。ここは増築しました。
物が多いんです、ちょっと片付けないとすぐにものが散らばってしまいます。
二人、並んで寝むり、朝起きるとそこに家族がいる、それだけで私はいいと思ってます。
ハリーも気を使ってくれていますが、もう過去は水に流しましょう。
朝です。
まだ外は暗いです。
トイレに行って、かまどの中に火を入れます。
歯を磨き、顔を洗います。
この国には歯を磨くという習慣がなくて、そりゃ、虫歯の人が、なんて思ったら、みんななにかをかんでいるんです。
歯ブラシは、なんと植物で、洋服にくっつくオナモミ、あれに似た植物をかむんです。
苦いんだけど、吐き出すし、口をゆすぐからいいんだけど結構数がいるので取るのが大変なんです。子供の時は小遣い稼ぎをするためよく取りに行っていたけど、大きくなると低い場所に生えているので案外大変です。
両手を使えるから、母さんと二人、嚙みながら食事の支度です。
コメ、たまに食べたいと思いますが、ないのは無理をしないようにします。ただ作っています、それは味噌を作るために必要な麹を作るため、これが増えたら食用にもなると思うけど、今はまだかな。
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