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「そうだといいがね。さ、冷めないうちに持っていて差し上げてくれ。」
「はい、わざわざ有難うございました。」
そう言って朔都が料理長からお盆を受け取り歩き疲れだそうとした時。
「おい!朔都!!何処へ行くんだ!?」
と転校生。
まぁ確かにこの食堂に居る全員が思っていたことだろう。
「友人のところだが?体調が悪くて寝込んでいるのでね。」
朔都が不愉快そうに顔を歪めて言った。
「あ、じゃあ俺と当麻も一緒に行っていい~?」
そう言ったのは書記の天利だった。
「なっ!?天利!?」
ぎょっとした副会長が叫んだ。
「煩いよ~梓湖くん。ね、いいでしょ朔都さん!会いに行くのはいつでも良いって許可貰ったし~。調子良くなってきてるんでしょ~?」
そう言う天利に朔都は溜め息をついた。
「仕方がないな。ただし、そこの風紀委員長が大人しくしていられるのだったらだ。」
「え~、そんなこと~。大丈夫だよ~心配しなくても~。」
天利はそう言いながら横に立つ当麻の肩に腕を回した。
「そうか、ならすぐに行こう。折角の料理が冷めてしまうからな。」
そういって朔都たちはまだ食堂で叫んでいる尼崎くんを無視して食堂を出ていったのだった。
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