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「失礼します。」
と朔都の声。
と同時にベッドの側に避けていた可動式のベッドテーブルの上にカシャンと音がして小さな土鍋が載ったお盆が置かれた。
「沙羅様。体調はどうですか?」
「悪くないよ。」
沙羅がそう答えると朔都はじっと沙羅の顔色を眺めた後、沙羅の腕に繋がっているチューブに伸びる点滴を確認してから頷いた。
「読書もほどほどにしてくださいね。まだ解熱剤で熱を抑えているだけなんですから。」
心配そうに沙羅の顔を覗き込んで言う朔都に沙羅は穏やかに頷いた。
「分かっていますよ。」
「本当ですか?沙羅様はすぐに無理をなさいますから信用ならないのです。」
「酷いですね主に対して。」
「...料理長に雑炊を作って頂きました。
どうぞ召し上がってください。」
「ありがとうございます。でもその前に天利、居るんでしょう?」
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